私は機械の設計事務所にて働いています。主な仕事内容は３DCADを用いて機械的な部分を開発設計することです。また少人数のため、設計はもちろん、コスト資料の作成や試作部品の手配・発注・試作品の組み立て・試験・量産の立ち会いまで自分たちで行っています。そのため、年間を通して常に忙しく、残業も毎月２次協定ぎりぎりまで働いたり、たまには超えることもしばしばあります。
私たちの作るものは大きく、一つのモノに対して３～４のパートを分けています。それぞれの担当が責任を持ってスケジュールを守らないと、他の人に迷惑がかかる上、そのモノは完成しないので、チームワークがとても大切です。
そんな中、私より入社が３つほど下ですが、大学院卒業のため年齢は上のA社員と一緒にチームになりました。今回が初めてです。あまり普段からコミュニケーションをとることがなかったので、人間性についてよくわかりませんでしたが、いつも少ない髪を親指と人差し指でチリチリいじっているのが癖だなと思って見ていました。
いざ一緒に仕事を始めたのですが、私の前の席でCADを使って設計しているのをなんとなく見ていると、内容が進まず、ただクルクルと昔のモデルを回してみているだけのように見えました。マウスとは逆の手は髪の毛だし。すると、コックリしたのです。「え？」と思いもう一度見ると、またコックリしたのです。
そう、彼は一日に何度も寝る問題児だったのです。こちらが設計が終わり次の段階に進む中、彼のパートは依然設計初期の段階で止まったままです。これでは納期も守れないし、こちらから応援しなければいけないという面倒な事態に陥りそうだったので、こちらも３回ほど注意しましたが、変わりませんでした。
そのことを上司に報告をすると「彼もがんばっているんだから、もう少し様子をみよう」と言われました。その上司の発言に不満をいだき、唖然としてしまいました。しばらく様子を見ていましたが、全く変わることがなく彼は寝ていました。
そして１時間ごとにトイレに立ち、鏡の前で髪をこねくりまわし、また席にもどり寝る、を繰り返しています。上司がだめならと、コンプライアンス委員の方へ直接訴えてみました。寝ている後輩を上司に注意してもらいたい、と言ったところ「タイミングを見て伝えてはみるが難しいと思う。証拠がないので、むしろあなた（私のこと）が注意したことが、逆にいじめているといわれかねない」として受け入れてもらえませんでした。なんだこの会社はと本当に辞めたくなりましたが、現実的に転職するのは難しいので、しばらくは変わらない後輩とともに仕事をしていかなくてはなりません。
