私が職場に抱いた一番の不満は、忙しい状態なのに雑談を強いられることです。
私はその職場に、1人派遣社員として入社しました。
やっていたのはロジスティクス関係の事務で、入出庫の依頼をするソフトのヘルプデスクも兼ねていました。
同僚はおらず、平均年齢45歳過ぎの事務所で孤軍奮闘していました。
新人なので、当然色々なことを任されます。
電話が来たら一番に取らなくてはいけないし、運送の係の人が帰ってきたら真っ先に受付に行って入庫先の倉庫の確認と指示をしなくてはなりません。
なので、他の人が雑談をしている時でも一番気が休まらないのが私でした。
目先の仕事の処理をしている方がずっと有益で楽しいと思っていたので、そこはまだいいのです。
どうしても自分は派遣社員でここには金を稼ぐためだけに来ているという意識があったたため、雑談に入る気もありませんでした。
勿論、ビジネスの基本のホウレンソウの大切さは知っていましたのでそれは毎日適宜行っていました。
根が真面目なのでそういうことをキッチリこなし、無駄口も叩かず正確に仕事をする……そんな私が部下でここの人は助かっているだろうなと本気で思っていました。
しかし、2ヶ月が経った頃上司に別室に呼び出されました。
そこで言われたのは、「一緒に仕事をする以上、コミュニケーションはしっかりと取らなくてはいけない」ということです。
挨拶も欠かしたことがないし、礼儀にも気をつけているし、ホウレンソウもしていますよね? とビックリして私は言いました。
上司は、私が雑談に加わらないのが本気で気に入らなかったそうです。
そう言えば職場に配置された直後に以前お局様と昼食を摂っていて、彼女の子供や家庭の話だのが平坦過ぎてつまらなく薄いリアクションを取ったことがあります。
私から話すことは何もないし、会話よりも沈黙は心地良いと思っていました。
2日くらいそんな感じの昼食でしたが、突然「調べ物があるから1人で食べて」と言われそれ以来ずっと1人で昼食を摂り続けました。
私はやけに熱心に調べ物してるんだなくらいに思っており、まさかその裏で上司にチクっていたとは誰が想像できたでしょう。
納得がいきませんでしたが上司はクビをちらつかせてきたので、それからはやけっぱちで雑談に無理にでも首を突っ込むようにしました。
単発で電話が鳴っても話し続けてお局様に取らせたり、話に夢中なフリをして仕事をサボる(息抜き)することも何度もありました。
それから数ヶ月おきに別室で上司と話をすることがありましたが、コミュニケーション不足についてはお咎めがなくなったのには不思議でした。
あれほど仕事中無駄話をふっかけられたら、間違いなく不快になって堪らないと思うのですが。
無理に饒舌なフリをして仕事をするのは大いに苦痛でしたし、もう必要以上の雑談を強いられるような職場では働きたくありません。