開発サンプルのデータ改竄で違法の繰返し

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私が以前勤めていた会社での出来事です。

その会社は、関西に本社があり、中小企業の中の一つで、電子部品関係から自動車部品関係の仕事をこなす製造業です。私は、その会社には約1年間勤めていたのですが、その短い期間に3、4回は違法行為に遭遇しました。どのようなことかと言うと、お客さんからサンプルの依頼があるのですが、当然お客さん要望のスペックがあります。一番最初のサンプルになるので、お客さんとしては、そのサンプルの評価結果次第で方向性が変わる可能性があるものなので、非常に重要になるのですが、その時点からデータの改竄が見られたのです。

 

お客さんの要望規格に対して、大きく外れているということを理解しながらも、良品率が10%程度しかなく、お客さんが欲しいと思っている納期に間に合わないと判断したのだと思うのですが、大幅に規格から外れているものも、規格内としてデータを改竄してサンプル出荷したのです。それがたったの1年間の間で3、4回も行われていたのです。しかも、お客さんが監査、視察に来るという情報が入ると、評価用の設備に修理が必要であるとして、お客さんの目の前で測定しないようにしていたのです。もちろん、測定データも残っているので、常に改竄したデータを準備しておかなければいけないのです。これらの指示を品証部門の部長や製造部門の部長が行っているのです。確かに、新しい商品を次々取り込んでいく必要があるというのは理解できるところですが、本来の実力と大きくかけ離れた状態で、新しい商品を取り込んでいくと、生産開始後に良品率が悪い為に製品がなかなか確保できず、今度は供給責任という新たな問題が発生してしまう恐れがあるのです。

 

そして、さらに問題なのが、社長以下幹部がそのことを知っていながら、現実のデータと架空のデータを常に準備させておき、何かあると直ぐに架空のデータを持ってこさせるということが常態化していたことです。つまり、お客さんを騙しているという意識がそこには働いていなかったと言うことになります。私も、技術者の端くれとして、そのようなことに力を貸すようなことを続けたくないと言う思いもあり、転職をする一つのきっかけにもなったのです。会社の外から見ると、その異常性がはっきりと分かり、完全な違法行為としてお客さんから訴えられてもおかしくないレベルだと思います。

今ではその会社から早めに抜け出して良かったと思っています。

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