失業手当による、違法な人件費節約術

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2009年の春まで、私がおよそ10年近くいた会社での話です。

 

その会社では、私が入社したときからすでに、夜遅くまでのサービス残業や無給での休日出勤が常態化していました。

ただ、給料が良かったことと、横同士の人間関係が非常に良好であったため、私は長期間在籍することができました。

 

しかし、同族会社でワンマン経営でしたので、経営者の言うことは絶対でした。

例えば、仮にその日の仕事が早く終わっても、経営者よりも先に帰ることは許されず、ましてや経営者がもしも、間違った判断を下そうとしても、それに物申すことすら許されないような、息苦しい雰囲気でもありました。

 

私が在籍していた間、業績は概ね良好でしたが、2度ほど経営が厳しい時期がありました。

その際に、社員または管理職に対し、人件費節約のために、会社ぐるみで違法行為を強要することがありました。

 

1度目は、主要取引先の仕事が激減した際に、管理職に対して、2度目は、リーマンショックによる不景気の影響により、私を含む全社員に対して行われました。

 

その手口としては、会社側が、対象となる社員を解雇し、対象となる社員にハローワークにて失業保険の給付申請をさせ、給付制限期間中は、対象となる社員を自宅で待機させます。

そして給付が開始されたら、名目上は、その社員をアルバイトとして一時的に雇う形にして、給付が受けられる範囲内の給料だけ支払いながら、業績回復を待つというやり方です。

 

ハローワークへは、給付に影響を与えないためと、会社ぐるみでの不正行為がばれないように、対象社員は皆、短時間労働を行った旨、申告していましたが、実際には、正社員として働いていたときと同様、連日夜遅くまで働かされていました。

 

1度目のときは、それまで、その主要取引先一辺倒で仕事を請け負っていたのを、リスク回避のため、同業他社にも営業を行い、取引先を広げることに成功しました。

それ以降、業績が回復し、解雇後に一旦アルバイト採用していた管理職全員を、再び正社員に戻すことができました。

 

1度目に行われた際は、「とんでもないことをするものだ」と内心思いつつも、私自身が対象ではなかったので、他人事のように受け取っていました。

しかし、2度目の際、今度は私たちも対象となり、積もり積もった不満もあって、さすがに私もこれを機にこの会社を辞めることを決意しました。

 

私と同様に辞めていった人は、全体の7割近くにのぼりましたが、残った社員で業態の変換に成功して業績を回復し、人手不足を、従順に従う未経験者で補って、社員に連日の激務を押し付けつつ、今もなお盛業中です。

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