ブラック企業で働いた経験

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私の以前の職場は、発足して2年目のベンチャー企業でした。事業としては、使われてない遊休地をリノベーションして、飲食店やゲストハウスなど地域に応じて適したビジネスを展開していくというものでした。私は知人からの紹介で、その企業が唯一手がけている店舗の常勤スタッフとして働くことになったのです。ただその企業がなかなかのブラック企業でした。

 

そこの店舗は、マンションをリノベーションした施設で飲食店として営業していました。屋上ビアガーデンのような施設で、2年めにも関わらず、お店の広報がうまくいってかビアガーデンのピークシーズンである夏場には予約がいっぱいになるようなお店で忙しい毎日でした。ただそれだけであれば、新規参入の飲食店としてうまく回っているように聞こえるのですが、内情はボロボロで違法行為も多々見られるような職場だと、あとから段々と発覚してきました。

 

まず、屋上で営業しているマンションが完全に住宅街の中にあるのです。商業施設ならともかく、住宅街のど真ん中にビアガーデンがあると、騒音などで近隣住民の方から苦情が寄せられます。私もそこについては当初から疑問をもっていましたが、オーナーは特に気にしないような様子で、「どこでどんな事業をしても苦情はつきものだから仕方ない」というような態度でした。しかし、実際に現場で対応するのはスタッフである私達です。夏場などは連日大入り満員のこともあり、苦情の量も多く対応していたスタッフは私も含めメンタルが弱くなっていました。

 

その中で、「警察に訴えます」と言ってくる方もおられ、実際にいま私達が出している音は法律に違反していないのか調べてみることにしました。そして、調べてみると市町村が制定している「迷惑防止条例」に完全に違反していることがわかりました。お店で発しているお客さんが叫ぶ声や物音の音量が基準値を軽々と超えていたのです。ということは、もし誰かがお店の音量を測ったうえで通報もしくは訴えられたら勝てないということです。しかし、それが判明してからも夏が終わって苦情とお客さんの数が落ち着いてしまったので、特に対策はうたずにそのままでした。

 

給料についても、まさしくブラック企業の鏡のような会社でした。まず、正社員を雇う余裕が無いので、スタッフは全員個人事業主契約を結んで、業務委託で働かせているのです。個人事業主との契約なので、たとえ残業があろうと、早番があろうとはじめの定額で給料は変わりません。私は日によっては深夜12時に片付けをおえ、その後翌日の仕込みをはじめて深夜3時に終わるようなときもありましたが、残業代はまったくでませんでした。

 

しかし、その後店舗は一時閉店へと追い込まれます。屋上に建設している施設が違法建築にあたることも判明し、消防から注意をうけてしまったのです。そして、その施設を取り壊すことになりました。さすがにこれは大きかったようで、その時点で店舗は一時閉店となりました。私は続けるのはしんどかったですしもうごめんだと思ったこともあり、その会社をやめて今ではまったく違う仕事についてます。あの店舗がどうなったのかは、離れてしまったので今は知る由もありません。

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