パワハラ上司は40代女性の大敵

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以前勤務していた企業の支部長は、40代半ばくらいのやけに愛想のよい人でしたが、営業職の女性に対するパワハラはひどいものでした。私自身はさらに地方の一支部にいたので滅多に会う機会はありませんでしたが、会えばやたらと作り笑顔で持ち上げてくるのが気味悪く、距離を置いていました。

 

あるとき、まだ若い営業職の方が私の勤務地に数日間出張している際、いつも携帯とにらめっこしては顔色が優れないので話を聞くと、支部長を極度に恐れていました。支部全体の成績不振の矛先が、まだ若く、仕事に慣れていない彼女に向いたようでした。成績のことで営業職全員が支部長としょっちゅう個別面談を行っていたようですが、中でも攻撃をうまくかわせない彼女がターゲットなったのでしょう。全員の前で見せしめのような叱られ方もしていたようです。

 

成績の伸び悩みは彼女の未熟さのせいだと言葉や態度で責められ続け、ついに転職を決意して支部長に伝えたところ、それが更に彼を刺激して攻撃が激しくなっていました。出張中も「このままでは終われない」といった脅しめいたメールが毎日のように届いていました。そうかと思えば「辞めてどうするの?僕は君の成長を思ってこそ…」といった言葉で引き止めようとするのですが、何度か抜き打ちで出張先に様子見や転職の話し合いに来たこともあるようで、彼女のほうは恐怖ですっかり精神的に参ってしまっていました。「歩いているとふと支部長に似た人が目に入ってギクッとしたんですけれど、まさか今ここにいるわけないって思うじゃないですか。でもだんだん近づいくとやっぱり支部長で…。もうホラー映画の世界ですよ…」と彼女に聞かされたときは、私まで「逃げなきゃ」と恐怖に駆られました。

 

彼女が転職できたきっかけは、追い詰められた彼女を見かねたお母さんが、支部長に直接抗議に行ったことでした。お母さんも恐くて震えながらのことだったと思いますが、その勇気が娘を救いました。社内にハラスメント予防や対策がない場合は、外からの介入なしには解決が難しいと感じました。

 

彼女はまだ20代だったので、その後の転職先もすぐに見つかったようです。しかし、この企業でキャリアを積んできた40代の営業統括の女性は本当に先が厳しいと思います。支部長の秘書のような働きもし、明らかに支部長から特別に扱われている雰囲気を醸しつつ、皆の前で見せしめのように叱られたりもしていました。その女性の場合は精神的な暴力に鈍感なのか、曖昧で矛盾した支部長の指示や言葉にも特に疑問を持たずに、必死で従っていました。しかし、明らかにオーバーワーク気味で憔悴していました。

 

もし、彼女がその暴力性に気づいて「逃げたい」と思っても、40代の独身女性にとって転職は簡単なことではありません。ハラスメントの予防と対策に真剣な企業が増えてくれることを願うばかりです。

 

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