残業代の未払いをそのまま放っておいてはいけません。残業代の時効は2年なので、早く請求することが必要です。でも、会社はきっちり払っていますと説明するでしょう。
そうならないためにも、残業代を請求するには証拠が必要です。ICレコーダーやスマホのボイスレコーダーで後から証拠を作ることもできます。上司との会話で残業代が払われていない事実を証拠とできます。
私が実行した証拠で労働基準監督署が認めた方法をご紹介します。
目次
証拠にはどのようなものがあるか
1 ICカードやタイムカードの出社と退社の時間の記録
2 ICレコーダーやスマホのボイスレコーダーの音声
3 上司、もしくは同僚・取引先等との携帯電話の発信着信履歴
4 会社のパソコンのログインとログアウト
5 会社のパソコンのメールの送受信
6 通勤電車の乗車時間の履歴
残業代を請求するための証拠は他にもありますが、形として残る証拠が有効であると思います。
証拠がなければ労働基準監督署も裁判所も認めてくれない
残業代の未払いは、証拠があれば会社は認めてくれることもあります。残業代が欲しければ必ず証拠を残す必要があります。
証拠がなければ、会社はもちろん労働基準監督署も裁判所も認めない可能性が高いと思われます。何度も繰り返しますが、証拠がすべてです。詳細な日記を残していても、裁判では有効かもしれませんが、労働基準監督署では効果が薄くなります。
その日記を裏付ける根拠が必要になります。例えば、スマホで、仕事の話を上司としたのなら、上司からの着信記録、話した内容などを記録しておくことです。
休日に、上司の報告もなく、取引先と仕事の話をしても、会社の監督下にないから、業務として認められないこともあります。
でも、私の場合は、上司からの電話があり、その他多数は、取引先との電話でしたが、発信記録を会社側から提出されましたので、労働基準監督署は時間外の勤務として認めてくれました。
私は、時間外の電話での記録、日時、取引先名、取引先電話番号、内容などを記録していましたが、それだけでは、労働基準監督署に認めなかったと思います。携帯電話の発信記録があったから、労働基準監督署は時間外として認めました。会社は着信記録は、理由をつけて提出されませんでした。
私の場合は、裁判までいってませんが、裁判では時間外での電話の記録は証拠になるかもしれません。
出社と退社の時間の証拠を残す
残業代未払いの一番わかりやすい証拠は、ICカードやタイムカードの出社と退社の時間の記録です。これがあれば、労働基準監督署が認めやすい証拠になります。
私の会社は、ICカードのデータが出ているのに、実際に勤務時間を手入力させるので、手入力の出退社の時間で勤務時間が決まります。
私が毎日10分ほどの勤務時間を約8か月削られた時間を、ICカードのデータがあったために、労働基準監督署は勤務時間と認めてくれました。
ICカードやタイムカードの出社と退社の時間の記録は必ず残しておくようにしましょう。
時間外に会社の指揮下で仕事をしたという証拠を残すこと
ICカードやタイムカードの記録が残らない休日での勤務時間をどのように認めさせたらいいのでしょうか?
休日に上司からの電話やメールやラインがあればベストです。必ず全てを証拠として残しておきましょう。できるのであれば、上司に電話やメールやラインで、休日に仕事をしたことを報告するのもいいでしょう。
上司が知らないところで、休日にいくら仕事をしても業務として認められないことがありますので、必ず上司が認めているという証拠を取るようにしましょう。
ICレコーダーやボイスレコーダーを活用すること
会社内部で判断する場合に客観的に判断できる証拠があれば、会社は残業代未払いを認めるかもしれません。上司との会話で、残業している事実を認める会話をICレコーダーで録音し証拠として提出すれば会社も認めざるを得ないと思います。
会社が残業を認めない場合も、労働基準監督署は、証拠があれば認める可能性が高いと思います。
勤務時間中のすべての会話を録音するようにICレコーダーを携帯しておくのも一つの方法であると思います。スマホのボイスレーダーでもいいでしょう。
私は人事面談をICレコーダーで録音していることを別の面談で言うと、会社担当者が驚いていました。この録音の件に関してはハラスメントの件で継続中です。
会話を録音することにより、第3者の客観的判断をすることができるため、会社は違法行為を認めるしかないでしょう。
会社が残業代を拒否すれば労働基準監督署へ行く
証拠があるのに、会社が残業代を認めず、残業代が欲しいのであれば、労働基準監督署に行くしかありません。労働審判など、裁判所に行く方法もありますが、その前の段階として、労働基準監督署に私は行きました。
労働基準監督署では、匿名で会社に知られずに、申出をできますが、残業代を要求するのであれば、会社にも誰が要求しているのかを伝える必要が出てきます。
私は実名を会社に伝えてもいいと言っていましたので、会社は労働基準監督署からの是正勧告書で私に対する残業代を支払いました。
ただ、私が実名を会社に伝えることにより、会社は人事の裁量権を使い、誰もが嫌がる部署に異動させました。会社は1年間に2度の配置転換を行いました。会社は業務の必要性や適性配置を主張し、正当性を強調しましたが、私が労働基準監督署に申告したからであることは明らかでした。
残業代を請求せず、会社に実名を明かさないように労働基準監督署に言えば、そのように対応してくれるかもしれません。ただ、残業代は支払われない可能性はあります。
私は、労働基準監督署に申告しただけなので、他の労働基準法違反と過去に申告した違法行為を含めて、会社を労働基準監督署に告訴することを検討しています。
会社を辞める覚悟があれば、労働基準監督署に申告することも必要かもしれませんが、長く勤めたいのであれば、匿名で申告するぐらいがいいかもしれません。
裁判は弁護士を使わずに自ら行う
労働基準監督署は役所なので、あまり積極的に行動しようとしません。確定的な証拠があれば、労働基準監督官は動きますが、是正勧告ができないほどの証拠であると判断すれば、理由をつけて拒否してきます。
そうなれば、裁判所に頼るしかありません。裁判所は匿名ではできません。労働基準監督署に実名で申告したときと同じような報復行為を会社から受けるかもしれません。
裁判所に訴える場合は、会社を辞める覚悟がある場合だけにしてください。会社は弁護士を使ってきますが、従業員は弁護士を使う必要はありません。証拠があれば、それだけで裁判官は判定します。
弁護士をつけたからと言って、証拠が増えるわけでもないので、無駄なお金はできるだけ使わないようにしてください。
裁判自体は、あまりお金はかかりません。弁護士費用が高いだけです。弁護士に依頼したからといって、相手方の弁護士と話し合い、知らないところで決められるだけであると思われるので、希望通りいくことはあまりありません。
裁判をするのであれば、弁護士をつけずに自分で行うことをお勧めします。
まとめ
以上のように、残業代を会社に支払ってもらうには証拠が必要です。証拠がなければ、ICレコーダーやスマホのボイスレコーダーで証拠を取りに行く必要があります。会社の違法行為は許されることではありません。少なくとも、匿名で労働基準監督署に内部告発をすべきであると思います。